私の友人はストレスが多く、また長時間就労が基本のお仕事に就いています。
その友人が繁忙期の真っ只中に、たまたま予定が合ったため会いに行くと、暗い表情で肌荒れにもかなり悩まされているとのことでした。
中でも仕事の愚痴を聞きながら私が思ったのが、それまで全く気にならなかった友人の口臭がきついということでした。
その友人は綺麗好きなため、最初は他の匂いなのかな、と疑いましたが、テーブルを挟んでいても時々顔を背けたくなるほどでした。
状況から考えると、ストレス性の口臭であることは間違いありませんでした。
その時の私は、友人に伝えても傷つけることになるだろうし、なによりどんな言葉で伝えるべきかも分からなかったため、その日は友人に口臭のことは伝えずに別れました。
しばらく経ってその友人と再度会ったとき、前回気になった口臭がほとんど消えていることにすぐ気がつきました。
私が安心しつつ話をしていると、友人は鞄から口臭対策のスプレーを取り出し、明るい表情で以下の話を始めました。
以前から職場でとてもお世話になっている年上の女性Aさんが、自分の口臭が気になることを伝えてくれた。
口臭はストレスからくるものもあるから、歯磨きなどをきちんとしていても臭ってしまうこともある、
そしてお仕事で接客をする機会が多いため、対策をしたほうがよい、とAさんがすすめてくれた。
自分では全く気がつかなかったため、指摘してもらえてよかった、今はスプレーで臭いに気をつけている、とのことでした。
この話を聞いたとき、私は正直自分が恥ずかしくなりました。
友人の気持ちを一番に考えれば、きちんと言葉を選びながら口臭について伝えることが最善ですが、
中々言葉が思い浮かばずにあやふやにしてしまいました。
Aさんと友人はとても仲が良く、お仕事上でもお互いにかけがえのない存在だそうです。
だからこそ、Aさんは友人のためを思って伝えたのだと思います。
事実、友人は言いづらい口臭について伝えてくれて、とても感謝しているとのことでした。
口臭はデリケートな問題ですが、人と接する上では、放置してしまうと社会的信頼にも直結します。
伝えられる立場の人が、きちんと言葉を選びながら伝えることが大切であると感じました。